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食物アレルギー

①アナフィラキシー既往でも「エピペン処方」は5割のみ

診療ガイドラインでは、アナフィラキシーの対症療法にアドレナリン(エピペン)が推奨されています。アナフィラキシー経験がある患者はエピペンを所持し、緊急時に対応できるようにしておいたほうが良いでしょう。

ところが実態(※)は、医師の49%しかこのような患者に「エピペンを処方」しないようです。

②驚くことに「IgG抗体陽性」で食物アレルギーと診断されるケースがある

診療ガイドラインでは、食物アレルギーは特定の食物摂取時に症状が誘発されることと、アレルギー検査(特異的IgE抗体など)で免疫的機序を介する可能性の確認によって診断されるとしています。食物アレルギーの評価のためアレルギー検査として食物抗原特異的IgE抗体の検査が行われますが、別の検査方法である抗原特異的IgG抗体陽性ということで食物アレルギーの診断はできません。

ところが実態(※)は、患者の6%が「抗原特異的IgG抗体陽性だったことを根拠に」特定の食物を除去することを決めています。

③いまだに「卵アレルギーを理由に鶏肉と魚卵を除去」ケースがある

診療ガイドラインでは、卵アレルギーだからといって鶏肉や魚卵を除去する必要を記載していません。鶏卵と鶏肉は同じ鶏由来ですが、鶏卵と鶏肉は食べものとして別ものであり、また同じ「卵」だからというだけで魚卵を除去する必要もありません。

ところが実態(※)は、医師の6%が鶏卵アレルギーの症例では「鶏肉/魚卵も怪しいので禁止」指導しているようです。

※実態の値(%)は本調査結果からの引用です。調査規模は医師1032人、患者8240人ですが、医師調査は自発的郵送返信、患者調査はインターネット調査で行ったため、必ずしも全国の実態を代表していない可能性があります。

 

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