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GLに基づく治療法模範解答

アレルギー性鼻炎

設問1

[症例]

p003

26歳男性。昨年3月中旬にくしゃみや水性の鼻汁が発作性に出現するようになり、スギ花粉症との診断で薬物治療を受けました。症状は4月末には改善、消失しました。今年は1週間前から同様の症状が出現したとのことで3月上旬に来院しました。症状は昨年より強く1日30回以上鼻をかみ、くしゃみ発作が出るが、2-3日前から鼻づまりも強くなり時々口呼吸になるとのことです。3日前に薬局で抗ヒスタミン薬(第1世代)を購入して服用しているが、眠気が強く改善はほとんどないとのことです。

この患者に対して、先生が本日処方を検討されるものを下記からお選び下さい。
(複数回答可)

[模範解答例]

選択肢のうちを実施(■は非実施)

  • 第2世代の抗ヒスタミン薬(内服)
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬、あるいは抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬(内服)
  • IPD(アイピーディ® )
  • 鼻噴霧ステロイド薬
  • 化学伝達物質遊離抑制薬
  • 経口ステロイド薬
  • ステロイドの筋肉注射
  • 漢方薬
  • 市販薬(症例文に記載の抗ヒスタミン薬)を継続服用させる
  • その他 
     [              ]

[解説]

  •  鼻アレルギー診療ガイドライン−通年性鼻炎と花粉症−2013年版 p.25 表9 アレルギー性鼻炎症状の重症度分類を参照してください。この表より鼻汁については1日21回以上鼻をかんでいることから鼻汁の程度は++++、鼻閉は1日中完全に鼻がつまっているわけではありませんが鼻閉が強く口呼吸になることが時々あることから鼻閉の程度は++となります。従いまして、アレルギー性鼻炎の病型はくしゃみ・鼻漏を中心とする充全型で重症度は最重症となります。次に、p.34~第5章 治療をご参照ください。p.61 表35 重症度に応じた花粉症に対する治療法の選択を確認しますと、この症例は鼻噴射用ステロイド薬+第2世代抗ヒスタミン薬の併用を中心に組み立てますが、鼻閉についても中等度であり、さらに抗ロイコトリエン薬、あるいは抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬の追加も推奨されます。ガイドラインでは中等症以上で経口薬と局所用薬などの薬剤併用療法をすすめています。

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